まるで意味が違う、言い方に気をつけて「加齢」「老化」の違いについて

美容や消臭のCMで「加齢臭」と言った言葉を聞くことがあります。しかし「老化臭」とは言いませんが「老化現象」とは言います。しかし「加齢現象」とは言いません。他にも老化に打ち勝つと言いますが、加齢に打ち勝つとは言いません。同義語ではないといいますが、これは言葉の使われ方の違いが漠然としか分かっていないように思います。

加齢とは物理的時間経過

加齢とは「生まれてから死ぬまでの物理的時間経過」を言います。時間の流れに従うのですから、良い事も悪い事も含めての「過程や現象」を指すのです。

誰でも皆一様に加齢は進行していきます。過程ですから「エージング」ともいいエージングケアに・・・という言葉を聞くこともあるでしょう。生物としては避けて通れない暦年齢ですから、時間の経過と供に「衰退」という、あまり耳にしたくない現象も辿るのが加齢なのです。

老化とは生体機能の低下

老化とは成長期以降、「生体機能が低下すること」を言います。生体機能とは「能力」「神経伝導速度」「肺活量」「病気に対する抵抗力」などです。

機能低下は、誰でも皆一様ではなく個々で進行速度が変わります。老化の程度や進行には、「遺伝要因」「環境要因」が影響してると考えられています。

これは「生理的老化」と「病的老化」の2つに分けられ、生理的老化は非可逆的(元に戻せないという意味)な現象です。そして病的老化は生理的老化が基になり疾病になる現象です。

どの時間軸に重きを置くかで言い方が異なる

加齢は生まれてから死ぬまでの物理的時間経過です。老化は成長期以降の生体機能低下です。これらは年齢を重ねると、老化現象として肌や髪の毛、そして筋肉が衰えてきたことを身に染みて感じるようになります。

加齢は筋肉量の低下もみられ、アンチエイジングの訳語は抗加齢ではなく抗老化ですから、機能低下を抑えようとするのです。

老化は止めることはできないから遅らせる

ご存知のように老化は病気ではありません。進行速度は違っても老化は必ず起こります。ですので「アンチエイジング」という抗老化が盛んに飛び交っています。

アンチエイジングの方法も人それぞれですし、合う合わないがあります。遺伝子・環境要因を確かめ、適切な物を適当な時期に与える、そうすることで老化現象も抑えることができるのかもしれません。