どちらも目的は治療で使う?生薬と漢方(ハーブ)の違いについて

日本で行われている医学は、元々は中国から入ってきたものが多いといわれています。日本史が好きな方は「蘭学」という言葉を習いましたが、それは西洋から伝えられた医学です。逆に東洋医学から伝えられたものが「漢方」と呼ばれるものです。

生薬とは

生薬と漢方は似ていますが少し異なります。生薬とは薬草の根を乾燥させたり、熱を加えたり、すり潰したり、成分を抽出したりと、加工を施し薬効成分を作り出したもののことです。化学合成した薬品とは異なり、植物成分など天然成分で付くられている場合がほとんどです。

漢方とは症状で治すお薬?

漢方とは生薬を長い歴史の中で培われてきた分量や比率などで組み合わせて、薬の機能として使えるように最大限に引き出したもののことをいいます。つまり生薬から漢方ができるということです。植物や動物の天然成分を組み合わせて、体のバランスを整える目的があります。

例えば寒気を感じた風邪なら「葛根湯」(かっこんとう)を勧められたことはありませんか。これも漢方の1つです。関節が痛い、喉が痛い、熱っぽい、頭が痛い等どのような症状かによって、どの漢方を使うかを選ぶのです。

病院へ行っても錠剤や飲み薬だけでなく、粉薬の漢方を処方される場合もあり、一概にどれが良いかは症状にもよるため分かりません。治る速度も薬や漢方によって異なりますし、体や胃への負担も違うからです。

ハーブティーも漢方の1つ?

アロマテラピーやお茶と共に使われるものが「ハーブティー」です。健康的な美味しいお茶を様々な形でアレンジしたものです。ハーブとは「香草」とか「自然植物」という意味で、オリーブやクレソンにサンフラワーやバジルなど、食べたり飲んだりする際に活躍する植物が多くあります。ハーブも漢方の一種ですが、少し違いがあります。

ハーブと漢方の違いについて

ハーブは天然の植物ですので異物の反応や副作用をあまり心配する必要が無く、体を構築する機能の改善が見込めます。ハーブの場合は、1回の作用が低く半年から1年くらいの一定期間服用する場合が多いのではないでしょうか。

漢方は植物のみならず、動物の骨や角に化石などの鉱石に加えて、貝殻や虫の抜け殻等も使用されます。西洋の薬よりも副作用が少ないと言われており、ハーブよりも薬に近い効果があると言われています。

調合する際の生薬は天然由来の物を使用するものが多いので、ビタミンやミネラル等も含みます。体質を体の中から改善したり、西洋の薬のような使い方もできることから用途の幅がとても広いのです。

体調が優れない場合は、内科のお医者さんや薬剤師の方に漢方やハーブでどういったものが良いのか、症状を話して相談してみてもいいかもしれません。