かげと読む「陰」と「影」の違いは、形があるか無いか

日陰に木陰、人影など「かげ」と読む漢字は2つ存在します。どちらも明るいの反対で暗いイメージですが、似ているようで決定的に違うこの言葉、どこがどう違うのでしょうか。

「かげ」と聞くと、どちらを思い浮かべるか?

「かげ」と聞くと「こざとへん」の陰を思い浮かべますか、それとも「さんづくり」の影を思い浮かべますか。「陰」を検索してみると、6530万件ヒットします。すごい数ですが、もう1つの「影」を検索すると4億3200万件ヒットします。

ということは日本では「」の方が一般的に使われる場面が多いことが分かります。どちらも「光を遮って」暗くなる部分、という風に考える人も多いと思いますが、違いもはっきりしています。

「陰」とは?

「こざとへん」の陰の方は、光の当たらない暗い部分の事を指します。それは形があっても無くても、光の当たらない部分はこざとへんの陰ということになります。

木陰という言葉もあります、日陰という言葉もあります。木陰は木の形の影のことではなく、木で遮られる光の陰という事です。日陰もある形の陰ではなく、日光を遮ってできた暗い部分の事を指しています。

「影」とは?

では「さんづくり」の影はどうでしょうか。それは「形があるもの」です。人影といえば、人型をイメージできます。山影といえば、山の形をイメージできます。

さんづくりの影は、光で出来る影だけを表すわけではありません。幻のように浮かび上がった形にも、さんづくりの影という言葉を使います。

「幻影」という言葉もあるように、なにか形どって見えるものという意味で考えたほうがしっくりくるのではないでしょうか。