傷を治療してあげる、傷を手当てしてあげる、言い方は似ていますが意味する所は異なります。どちらも「治す」という意味ですが、どこかどう違うのでしょうか。その怪我について扱う最終目的が異なるのが大きな違いです、それぞれ確認してみましょう。また同じように似ている言葉に「ケア」「幇助」があります、手助けするという意味が似ていますが内容が全く異なります。
治療とは?
治療とは怪我や病気をなおすことです。病気自体を治癒させたり、症状を現在よりも軽くすることを言います。ただし手当てと異なる点は、治療は「医療行為」であるということです。つまり一般の方が怪我を治すのは、治療ではありません。
似たような言葉にケア(care)という言葉があります。老人ホームや介護施設でよく聞く名前で、○○ケアという看板を見たことがある方も多いでしょう。
主に看護師によって行われる、清拭(せいしき)、入浴介助などの看護、介護などをcare(ケア)と呼ぶ。患者の状態の把握や、精神的なフォロー(メンタルケア)は、転帰(治癒、寛解、軽快など)に大きな影響がある。
出典:治療 wikipedia
ケアは患者を助けるための、フォローとも言えます。ですので○○ケアと書かれているところは、介護や看護を専門にしている施設の事です。
手当てとは?
手当ての元々の語源は、手を当てて患部をなおした事から取ったものといわれています。「手を当てて」⇒「手当て」という変化です。
傷口を手当する、などで使われますが医療行為ではなく治すためのシップを貼ったりバンソコ(バンドエイド)などを貼ったり、薬を塗ったりと「処置をする」という意味で使われます。つまり怪我や病気が完治したかどうかは関係なく、処置を施したという意味で使われるのです。
意味は似ているが結果が異なる
行為の意味自体はほとんど同じですが、医療行為をして完治・軽減させるのが「治療」で、医療行為以外の軽減措置を取ることを「手当て」という意味と思っても差し支えないでしょう。
走っていてコケて擦りむいたのを、治療と聞くと大袈裟に聞こえるのは「療」という字がある通り、本格的な行為に入るためです。この場合は擦りむいた箇所を「手当てする」が妥当と言えます。
幇助も似ている
先ほどケア(care)は、介護や看護といった体が弱っている人を助けるものとして使われますが、幇助は逆にマイナスの意味で使われることがほとんどです。
例えば犯罪や法律に反することをするように「促したり」「手助けする」ことを指します。実際に実行に移すのではなく、誰かが行うことに手を貸すという意味になるのです。実行犯ではなく、裏で操っているような黒幕など、犯罪や処罰といったマイナスの意味で使われることが多いのです。