スーパーやドラッグストアで販売している、髪をいたわる製品ですがこれらに違いはあるのでしょうか。お風呂場や洗面所で髪を洗う際に使われる「シャンプー」は汚れを取ったり洗う意味で使いますが、「リンス」と「コンディショナー」「トリートメント」の違いと聞かれると、中々明確に答えにくいところがあります。それもそのはずです、実は業界での定義が定まっていないからです。
リンスとコンディショナーは同じものか?
リンスとコンディショナーについては業界では「同じもの」として扱われます。キューティクルの痛みを防いで、パサつきを防ぎます。髪の内部まで浸透して補修をする商品もあります。洗い流すのではなく、表面に吸着させて滑らかにして、つややかさを維持させます。
トリートメントとは?
トリートメントは洗うためではなく、「保護する」ためのものです。トリートメントは髪の内部まで浸透するもので、リンスやコンディショナーは外部しか保護できません。ではなぜリンスやコンディショナーでも内部まで浸透、という記載があるのでしょうか。それはトリートメントの機能をプラスしているからです。
国内大手メーカーの見解は?
国内大手メーカーはこの違いをどう捉えているのでしょうか。「花王」「資生堂」「P&G(ピーアンドジー)」「ライオン」「ユニリーバ」にこのような製品が多いので見解を見てみましょう。
花王の見解
花王の公式サイトではどのように書かれているのでしょうか。
一般に、リンスとコンディショナーはどちらも、主に髪の表面をなめらかにするものです。髪のすべりをよくすることで、キューティクルの傷みを防ぎ、パサつきにくくします。
トリートメントは髪の内部に成分を浸透させて、髪の状態を整えるもの。髪の傷みをケア・補修したり、髪の質感をコントロールしたりするものなどがあります。リンス・コンディショナーの機能を併せ持つタイプがほとんどなので、シャンプーの後はトリートメントだけでも充分な仕上がりが得られます。
出典:花王
滑らかにする、すべりを良くするという意味でどちらも同じものという説明で、リンスとコンディショナーは同じ意味で書かれています。
LIONの見解
LIONの公式サイトではどのように書かれているのでしょうか。
明確な定義はありませんが、リンスとコンディショナーは同じもので、毛髪表面に吸着してシャンプー後の髪の状態を良くします。トリートメントは毛髪内部に浸透して内部から髪の状態を整えます。
出典:LION
ライオンでもリンスとコンディショナーは同じと書かれています。トリートメントは、やはり内部へと浸透してという記載です。
ユニリーバの見解
ユニリーバの公式サイトではどのように書かれているのでしょうか。
コンディショナーとトリートメントはいずれも髪にうるおいを与え、なめらかでまとまりのよい状態にするためのもの。また、どちらもシャンプーの後、髪に適量をよくなじませてから洗い流すものです。だから、効果や使用するタイミングには大きな違いはありません。
出典:ユニリーバ
ユニリーバは「コンディショナー」と「トリートメント」に違いがないと書かれています。各社によって若干の違いはあるものの、ほとんど同じような意味と捉えて問題ないでしょう。
トリートメントだけ注意する
基本的な意味としては、リンスやコンディショナー・トリートメントは同じような意味で使われます。ただしそれは、リンスやコンディショーナーにトリートメント機能が含まれている事が多いためです。
本来であれば、外部に作用するのがリンスやコンディショナー、内部に作用するのがトリートメントと考えるのが無難です。現在ではその垣根を越えた製品が多いため、同じような意味合いとして用いられるのです。