CDとレコードの違いは、音質・録音の仕組みが違う

昔は流行った「レコード」ですが、今でも一部の間では人気を維持しています。「DJ」やクラブで音楽をかける方、洋楽が好きな方はレコードショップでマニアックな曲を探す方もいます。その方に聞くと、自宅には2000枚以上のレコードが保管されており、マンションの底が抜けそうなくらい大量にあると言っていました、主に海外の洋楽が多いそうです。CDもレコードも音楽を流す意味では同じですが、音質や録音の仕組みはどのように異なるのでしょうか。

レコードの仕組み

円盤のようなドーナツ型で、真ん中に穴が開いているものをテレビで見かけたことがある方も多いでしょう。素材は樹脂で出来ており、上から針を落とす事で情報の振幅を認識し音を出します。

歴史は古く、1877年にエジソンが「フォノグラフ」として発明したのが発と言われています。その当時は円筒に針を使って音溝を記録していました。

直径や回転数をもとにSP盤 (standard play, 78rpm)、LP盤 (long play, 33rpm)、7インチシングル盤 (45rpm)、EP (extended play, 45rpm)、12インチシングル盤などを区別する。

出典:レコード wikipedia

現在のレコードはそれぞれ回転数や直径の大きさが異なり、モノラルで記録するかステレオで記録するかの違いで種類が分かれています。

CDの仕組み

CDはデジタル情報を記録するためのメディアのことを言います。元々はソニーとフィリップスが共同で開発したもので、直径12cmまたは8cmが存在します。ポリカーボネートで作られており、ガラスを使用したものも中には存在します。レーザー光を使って、反射した内容でデータを読み取り音を出すのです。

当初から音声・映像記録媒体として開発された。物理フォーマットは先に決まっており、音声記録ディスクの論理仕様が先行して策定された。少し遅れてビデオ記録用としてCDビデオが策定されたが、普及しなかった。後にデータ記録用としてCD-ROM、ビデオ記録用としてビデオCDなどの論理仕様が策定された。これらと対比して音声記録ディスクをCD-DAという。

出典:CD wikipedia

CDには音楽以外にも映像を記録することも出来、CD-Rがデータの記録が可能なものに対してCD-RWはデータを消去したり上書きすることが出来ます。

レコードとCDの音の違いについて

では実際に演奏をして、レコードとCDに全く同じ曲を収録した場合、音に違いはあるのでしょうか。実はレコードの方が、忠実に音が再現できるのです。理由は以下の通りです。

ライブハウスにいって録った“生演奏”は立て軸周波数で、4万ヘルツまで、かなり上の方まで強く、いろいろな成分が出ています。CDにすると、2万2千ヘルツより上の方が全くない。」
一方レコードは…「CDが全くないものに比べて、上の方が記録されています。」つまり、レコードには人には聴こえない高い音域まで収録されているんです。なぜCDは、2万2千ヘルツ以上の音がカットされているかというと、CDはその名の通り、コンパクトなディスクにデータを収めるため、人が聞こえない範囲の音は、あえてカットして収録しているんです。

出典:レコード の科学 NTV

CDは収納できる音の幅が限られており、レコードはCDに収録できない音まで記録することが出来るというのです。普通に聞いただけではあまり違いが実感できませんが、耳が良い方や敏感な方は違いの違和感に気付くのです。

生演奏やライブに音楽を聴きに行った場合、レコードに近い音を感じることが出来るのです。人間の聴力には限界がありますし個人差があるので、実際に体感できるかどうかは分かりませんがデータ上ではレコードに軍配が上がります。

ただしここで注意したい点が1つあります。それはCDにしろ、レコードにしろ再生機器によって差が出るという事です。音を流すための機械が安物で、アンプの質が悪ければ違いが出ない、違いが分からない可能性もあります。

レコードの方がCDより脳がリラックスできる?

実験結果が少ないですがレコードの方が、脳が心地よいというデータもあります。

人に聴こえない音を含むレコードと、含まないCDの音の違いは誰にでも分かるのか?そこで実験!
レコード未体験の若者10人に、同じ音源の、レコードとCDを聴いてもらい「どちらの音がいい」と感じたかを答えてもらいます。
まずは、『A』の、『CD』。続いて『B』の、『レコード』。結果は、10人中7人が、『B』の『レコードを支持』!

出典:レコード の科学 NTV

α波とβ波を比較したときに、「α波」(アルファー波)の優勢率が増えて「β波」(ベータ波)の優勢率が下がったというのです。「α波」というのはリラックスしている状態に出る脳波の事で、「β波」というのは緊張している状態に出る脳波のことです。

例えばオーケストラなどを聴くと、まるでそこにいるかのような臨場感はレコードが出やすく心地よいとなるのでしょう。しかし一方で、人間には聞き取れない音は無理に聞きたくないという方もいます。例えば動物を追い払う際に出す音なんかは、人間には聞き取れません。聞き取れれば不快になるからです。

レコードはCDより保管の手間がかかる

CDならケースに入れてコンパクトに保管することが出来ます。しかしレコードの場合はいくつか注意する点があります。

・高温多湿の場所ではカビや反りに注意
・静電気は絶対に発生させないこと、読み取りに影響します
・指紋や汚れはご法度、盤面は素手で触らない
・傷が付けば価値が大幅に無くなる

手間隙かかる分、愛情も深くなりはまる人が増えています。デジタルではなく、アナログレコードにはこういった手間は魅力ではあります。手間がかかる子ほど可愛いとはよくいわれたものです。