何かを行うことでその対価としてお金を貰うことがあります。リベートも報酬も金銭が伴う、受け取れるものですが似ているようで意味は異なります。また同じような言葉にキャッシュバックやキックバックという言葉もありますが、どう違うのでしょうか。その差は何に対してどういう行動をとっているかで違います。
リベートとは少しだけ戻ってくる対価
自動車販売や保険加入でよくある「代理店」制度があります。これは自動車や保険をその会社の代わりに販売することで、手数料を得ています。目標金額が1ヶ月100万円だとすると、その100万円を超えることで(目標達成)、販売金額の例えば10%が代理店に支払われる、という仕組みが「リベート」です。
上記の売上で計算する「売上割戻」や、大手問屋からの仕入れ合計額で計算する「仕入割戻」などもリベートです。毎年の年初に代理店契約を新規契約・更新した際に販売計画と今までの実績を考慮してリベート契約書を作り、リベート金額が決定されます。
報酬とは貢献したことに対する対価
「報酬」とは主に仕事をしたことに対する報酬、つまり給料と同じような意味で使われますが正確には異なります。それは直接雇用している者(従業員)に対して支払うことが「給与」で、直接雇用していない者に支払うものが「報酬」です。役員報酬と言う言い方をしますが、役員報酬は雇用保険料を徴収されていないことから、雇用しているわけではないのです。
他にも便宜を図ってもらったときの骨折りや、達成したことに対するお礼として金品や物品が提供されるのが報酬です。オンラインゲームで「クエスト報酬」というものがありますが、何か目的を達成したことで道具やお金がもらえますよね、そのような使い方をします。
キャッシュバックとキックバックの違いも似ている
「キャッシュバック」は前述した「リベート」とほぼ同じ意味ですが、どちらかというと「業者」と「お客」の間でのお金のやり取りになります。リベートは、売上や仕入れ代金からの現金戻しが多いですが、キャッシュバックは携帯電話・スマートフォンの乗換え・MNP(ナンバーポータビリティ)でもよく見かけます。賃貸不動産のご祝儀やキャンペーンにも使われ、リベートよりも比較的広い意味で使われます。
ではキックバックとは何でしょうか。キックバックとはお客に対して使う言葉ではなく、「業者」と「業者」によるお金の受け渡しを意味します。キャッシュバックよりもキックバックの方が、よりリベートに近い意味になります。
報酬と賄賂は用途がまるで違う
お金の受け渡しの意味で「賄賂」という言葉がありますが、公務員の場合は便宜を図ってもらう目的で金品などを提供することは「職権濫用」になり犯罪に当たります。このように言葉が似ていても中身の意味は全く異なるのです。