被告と言われたら「犯罪者・容疑者」扱いになるのか?被告人との違いとは

事件や揉め事が起こった際に法律・裁判で物事を解決することがあります。弁護士にお願いして訴訟問題として対応しますが、被告と呼ばれたり被告人と呼ばれることがあります。まるで法律を犯した犯罪者や容疑の疑いがある「容疑者」のようにイメージが良くありませんが、これらはどう意味が異なるのでしょうか。裁判員制度で身近になった裁判だからこそ知っておきたい意味の違いです。

被告とは犯人ではない

テレビやニュースで報道されるものとして、例えば田中被告とか山田被告といった呼ばれ方をします。これは犯人でもなんでもなく、ただ単に民事訴訟で「訴えられた人物」というだけです。例えばあなたが犬を飼っていて隣の人から「鳴き声がうるさい!」として訴えられた場合、あなたは被告になります。

つまり日本にいる限りは、誰でも訴えられれば被告と呼ばれるという事です。被告と対になる言葉として覚えておきたいのが「原告」です。

原告とは訴えた人

原告とは被告の反対の立場で、民事訴訟で「訴えを起こした人物」となります。例として言うと田中さんが山田さんを裁判で訴えた場合、「田中原告」と「山田被告」となるわけです。

ここで似たような言葉として疑問になる言葉があります。それが「被告人」という被告に「人」を付けた場合です。「人」が付くか付かないかで意味が驚くほど異なります。

被告人とは

被告は訴えられた人物ですが、被告人とは「犯罪の嫌疑を受けて起訴をされている人物」を指します。起訴とは裁判所へ訴えて法的な手続きをしたことを言います。逮捕されて取調べを受けることころまで捜査が進んだ場合、「被疑者」「容疑者」という言われ方をします、この両者はほぼ同じ意味で使われています。裁判を取り扱ったドラマでもありますが、被告人は逮捕前、被疑者・容疑者は逮捕後という違いです。

この被告と被告人の意味は全く異なり、被告は誰にでもなりうる可能性があります。その被告を間違って被告人と呼ぶことで「名誉毀損」など別の裁判になることもありますので、意味の違いには気をつけましょう。

在宅起訴とは逮捕されていない

先程「起訴」の説明をしましたが、テレビドラマやニュースで「在宅起訴」という言葉を耳にします。これは逮捕されていない状態で起訴されたことです。つまり拘置所や留置施設に入れることなく、身柄拘束されません。

なぜ拘束されないかというと、自首などで逃げる可能性や証拠を隠滅する可能性が無い場合に、公判待ちという状態になります。公判で結果が出てはじめて、どのような処分になるかが決まるのです。