「せいさく」という言葉は、何かを作る事という意味ですが漢字が2つ存在します。それは「製作」と「制作」です。制に衣があるかないかの違いですが、両者が担当する部分はまるっきり異なります。その違いを分かりやすくするポイントは「デザイン」です。
制作とは芸術に関すること
制作(英語でProduction)とは、芸術に関係する物を作る際に使う言葉です。例えばホームページ制作や、動画制作、テレビ番組制作などです。仕事の求人が出ていて、ホームページ製作などと書いていれば、この会社は使い分けが出来ていない会社だと思われても仕方ありません。ホームページは制作が正しいのです。
芸術とはどこまでのことを指すのか
ここで疑問になるのが、芸術とはどこまでのことを指すのでしょうか。絵を描いたり彫刻を彫ること、これは芸術の領域に当てはまりますので「制作」です。「制作」とは英語でプロダクションと言います。つまり芸能プロダクションも、芸能を制作していると言えます。しかし「製作」も英語でプロダクションと言います、英語ではそこまで明確な区別はされていないのです。
製作とは実用的なものに関すること
製作(英語でProduction)は実用的なものを作る時に使います。例えば家電製品の冷蔵庫やドライヤーを製作する、などです。他には工業用の鉄や鋼、革や布で編むことも製作です。エクセルでデータを作ったりCAD(キャド)で図面を引いたり、プログラムを作るのも「製作」と言えます。
製作であり制作でもあるもの?
町工場で実際にハンマーで叩いて作るような製品は「製作」を使います。確かに昔の刀鍛冶のように美しいデザインに仕上げるという言い方をすれば、制作と言えない事も無いかもしれません。しかし現在では芸術作品、伝統工芸品などのようにデザインが主であるものは「制作」で、デザインが主ではない1番の目的が違う用途の場合、つまり実用的な場合は「製作」とされています。刀のメインはデザインでなく、主は刀を使って切るという事だからです。
昔は曖昧に使っていた言葉
「制作」と「製作」は実は昔結構曖昧に使われていました。それは主にテレビ局などでです。使い分けが分かりやすい有名な話として、ディズニーのピクサーが制作、ディズニーは製作という例えがあります。
実際に作品を構成するのが制作で、作品を監督したりプロデュースするのは製作なのです。対象物が芸術か実用かで判断すると、意外と分かりやすいのです。