寒くなってきたら温かい汁物が食べたくなります。体の芯までポカポカと温まり、更にそれが甘いものだとストレスも吹き飛んでしまいます。寒い日に「ぜんざい」と「おしるこ」どっちが食べたい?と言われたらどうしますか?じゃあ「ぜんざい」で・・・と知ったかぶりをすると、本当に違いが分かってる?と突っ込まれそうです。同じように見えるこの2つの食べ物ですが、実はほんの些細な違いがあります。
「ぜんざい」とは何だろう?
「ぜんざい」(英語ではzenzai or sweet red bean soup)とは小豆を砂糖で煮て、甘くします。これに白玉の団子と餅を入れて食べるというものです。小豆の粒があるものが「ぜんざい」と一般的に言われています。
「おしるこ」とは何だろう?
「おしるこ」(英語ではsweet red-bean soup)とは小豆の「餡」を砂糖で煮て、甘くします。これに餅・白玉団子を入れると・・・あれ、ぜんざいとほとんど同じような気がします。
違いは小豆から煮るか、アンコを水で延ばして煮るかの違いという事になります。少々分かりにくいですね、もう少し掘り下げてみましょう。
関東と関西、つまり東と西で呼び方が異なります
関東での「ぜんざい」とは、お汁が無いアンコや餅が入ったものを言います。つまりお汁に餅や団子が入っていると関東では「おしるこ」となります。
関西では「ぜんざい」とは、粒々のアンコが入った汁物を言います。しかし粒々の無いアンコが入ったものを関西では「おしるこ」と言います。
つまり関西ではお汁が無い状態はありえないのです。お汁の無い状態は「亀山」とか「金時」と言われます。金時と聞くと、「宇治金時」があります。これは夏のカキ氷に、茶筅の泡立てシロップをかけた金時、つまりお汁の無いアンコを乗せたものを言います。
お汁粉の由来は?
お汁は汁(しる)もの、お汁粉の「こ」は実を指します。つまりお汁に身が入ったものということで、お汁粉となった説が有力です。
ぜんざいの由来は?
喜び祝うという意味で善哉という言葉があり、それをぜんざいと呼んだりします。他には出雲大社の餅「神在(じんざい)」が訛ってぜんざいとなったいう説もあります。
外国人にも喜ばれる
日本のすしなどと同様に、特に冬の時期は「おしるこ」「ぜんざい」が喜ばれます。違いを英語で説明するのは中々難しいですが、温まる日本の伝統ある食べ物は夏のあんみつのように、外国人のお腹を満たしてくれるでしょう。