人間の体を調べる上で「DNA」と「遺伝子」はたくさんの情報を保有しています。それを調べることで将来の有益な情報が発見されたり、今後の病気や医療に役立ったりします。似ているようで異なる2つの違いはどういうものでしょうか。
DNAが分かれば犯人が分かる?
DNAとは人間の細胞の中にある情報の1種です。細胞の中に染色体があり、その中にDNAが存在します。DNAとは日本語で「デオキシリボ核酸」で「アデニン」「グアニン」「シトシン」「チミン」の4つの構造でできています。
テレビドラマや実際の犯罪現場で、犯人を特定する為に「DNA鑑定」というもが実施されます。ここを調べることでどこの誰か(個人や種別)ということが特定することができるのです。なぜならDNAが一致するのは、4兆7,000億人に1人という確立だと言われているからです。これは警察庁のホームページに記載されています。
日本人で最も出現頻度が高いDNA型の組合せの場合でも、約4兆7,000億人に1人という確率で個人識別を行うことが可能となっている。
出典:警察庁
データベースに登録していることで、割り出しや余罪の確認が可能になります。未解決事件や東日本大震災等の身元確認で力を発揮します。
遺伝子とは
親から子へと受け継がれる事を「遺伝」といいますが、遺伝子とはそれらの受け継がれる細胞の事を言います。
DNAと非常に似ていて分かりにくいのですが、DNAイコール遺伝子といっても間違いではありません。というのも、DNAには「遺伝子の情報を持っている部分」と「遺伝子の情報を持っていない部分」が存在します。その遺伝子の情報を持っているDNAの部分の事を「遺伝子」というのです。
遺伝子組み換えとは何か?品種改良との違いについて
遺伝子組み換えとは「生物の細胞」から良い性質を取り出して、他の細胞遺伝子に組み込むことを「組み換え」といいます。
例えば味の美味しい遺伝子を取り出して、味は悪いが気候に強い(病気に強い)食べ物に掛け合わせます。そうすることで、美味しくて気候に強い食べ物が出来上がる、というわけでこれが最大のメリットです。
デメリットは現在の動物や植物に悪影響を及ぼさないか、アレルギーに対して問題が無いのか、といった心配がされています。
日本では大豆・じゃがいも・なたね・とうもろこし・わた、などが作物として認められて作られています。日本では安全性を研究し大丈夫なようにされていますが、アレルギーなど人体に悪影響が無いか心配されています。
似た言葉に品種改良がありますが、品種改良とは自然に遺伝子の組み換えが起こることをいいます。遺伝子組み換えは人工的に人の手で組み替えることで、以前の品種改良とは異なり可能性を広げることができます。
DNAや遺伝子の鑑定・検査で何が分かるのか?
自宅でできる「遺伝子検査キット」などが販売されていたり、病院で検査することもできます。中には唾液を送るだけで数百種類の検査結果が分かるものもあります。
検査結果の内容量によって、数十種類から数百種類といった成分の分析をすることができます。病院で血液検査をしたことがある方なら分かりますが、花粉やハウスダストにダニなどのアレルギーがないかの検査があります。これは料金や血量によって調べられる事が増やすことができるのです。
太りやすい体質か、遺伝の病気的リスクがあるのかなどを知ることができます。そうすることで日頃の生活習慣を直し、あらかじめ予防や対策をすることが可能になります。
体型や肌質の遺伝的な傾向と、祖先の21項目を検査することができるものです。そばかすの「できやすさ」や体重、腰のくびれといったものを、唾液を送ることで調べられます。祖先がどのようなものかといった面白いものもあるので、興味深い内容です。
「がん」や「生活習慣病」をはじめとした約280項目を検査することができる本格的なものです。唾液を採取して調べるもので、疾患の発症リスクや予防のためにどうすればよいかなど、遺伝的なリスクを知ることができる仕組みです。東京大学医科学研究所とDeNAライフサイエンスの共同研究の成果での分析とのことで、それを使って解析メーカーで調べてくれるというのです。
過度な期待はしないほうがいいかもしれませんが、一種の健康への考えの指針になりそうな気はします。普段から健康診断や食べ物には注意をしたいものです。