日本では首相、アメリカでは大統領というように、各国によって代表の呼び方が異なります。国のトップである事は揺るがない事実ですが、どうして2つの呼び方があるのでしょうか。それぞれの立場と選び方について考えてみましょう。
各国の現状
先進国として言われる言葉にG7(ジーセブン)という呼び方があります。これは、Group of Sevenの事で、世界の主要7カ国の先進国を指します。では先進国の代表者を見てみましょう。
【フランス】
フランソワ・オランド大統領
マニュエル・ヴァルス首相
【アメリカ】
バラク・オバマ大統領
ドナルド・トランプ大統領
首相は無し
【イギリス】
エリザベス2世女王
テリーザ・メイ首相
【ドイツ】
ヨアヒム・ガウク大統領
アンゲラ・メルケル首相
【日本】
明仁天皇
安倍晋三首相
【イタリア】
セルジョ・マッタレッラ大統領
マッテオ・レンツィ首相
【カナダ】
エリザベス2世女王
デイヴィッド・ロイド・ジョンストン総督
ジャスティン・トルドー首相
このように大統領がいて首相がいない国もあれば、女王や総督といった人物がいる場合もあります。
世界には2つの制度に分かれて国が存在する
大まかに分けると、世界では「立憲君主制」「共和制」の2つの国が存在します。「立憲君主制」とは、その国の代表者がおり、その代表者が政治を担う人物を指定するというものです。現在では少し意味合いは異なりますが、天皇⇒内閣総理大臣(宰相)といった流れです。日本のような首相がこちらになります。
「共和制」とは、国民が選んだ代表者で、その者が直接政治を動かすということです。アメリカのような大統領がこちらになります。
大統領とは?
大統領(英語で言うとPresident・プレジデント)簡単に言うと国家の元首であり、選挙によって選ばれた人物の事を指します。形式的で権限があまり無い名ばかりの大統領もいれば、アメリカのように多大な影響力を及ぼす大統領もいます。
一定の任期があり、その都度議会などから選出され大統領選挙が行われます。上記で述べたように「共和制」であり、国民から選出されます。
首相とは?
首相(英語で言うとprime minister)簡単に言うと、その国の代表者から選ばれた、日本で言うと国会で選ばれた者が政治を動かすというものです。首相になれるかどうかは議席の数に左右されます。
内閣総理大臣ともいわれ、総理とも言われます。よくテレビで見かける永田町の国会議事堂ですが、見学に行くと意外と政治や国会が身近に感じられるかもしれません。
エリザベス女王というのも聞くけれど
では女王とはどういう地位なのでしょうか。イギリスのエリザベス女王は良く聞きますが、何をしているのでしょうか。
イギリスの元首という扱いで、様々な国の君主も兼ねています。国民に親しまれる王室を目指し、公務に儀式に国の代表として世界各地を飛び回っています。首相の任命も女王の仕事で、特定の主義に偏らないように制限がされています。
総督とは?
カナダでは総督が存在します。カナダの国王より任命され、国家元首としての地位にあたりますが、役割は大統領というよりは首相に近い「立憲君主制」です。しかし実際に権限を持っているのは議会の為、首相などが行政を担当しています。