作ってもらうなら「おむすび」と「おにぎり」どちらがいい?その違いについて

日本の童話で「おむすびころりん」という話があったり、コンビニで三角形になったご飯をぱりぱりしたノリで全面を覆うものを「おむすび」と呼んで販売していたり、店舗によっては「おにぎり」と書いて販売しています。この呼び方の違いは何なのでしょうか。

おむすびとは神様の形をしている

おむすびとは一般的に神様の力を授かるための形をしています。それは、米を「山の形」△(さんかく)にかたどって食べるものという意味です。

昔の日本人は「山」というものを自然の象徴として神格化していました。その為、おむすびは三角形でなくてはならなくなったのです。

古くは古事記に記された「むすび」の神様が起源だそうですが、平安時代の女性達はおむすびと呼んでいました。特に地域では、関東から東海道を中心に「おむすび」と呼ばれています。

おにぎりとは

おにぎりとは「にぎりめし」が転じたもので、握った飯のことを意味します。つまり握ってさえすれば「おにぎりはどんな形でもよく」日本の大部分では「おにぎり」と呼ばれています。古くより庶民の間では、携帯食の握り飯を「おにぎり」と呼んでいたのです。

握り飯に「お」という丁寧語が付いた事で「おにぎり」になった説が有力です。ご飯をぎゅうぎゅうに詰め込む握り飯をおにぎりと呼んでいるのです。握った飯を手に取って食べる行為、つまり箸を使わず手に握って食べるあり方自体を「おにぎり」と表して、今日に至っています。

形で「おにぎり」か「おむすび」かが分かる

このことから、おむすびは山形で神の形にかたどった食べ物で、三角形でなくてはいけません。それに対しておにぎりは握ってかたどったご飯です。

おにぎりを作る際はどんな形でも構いません。丸でも四角でも、ご飯なら「おにぎり」です。コンビニやスーパーで海苔が付いていない丸いタイプのものは、おにぎりと書かれているはずです。

日本人は手軽に作れる「おにぎり」も「おむすび」も大好き

このことから基本的には違いは存在します。しかし段々と曖昧に使われることもあり、今の時代は、自分の好きな呼び方で呼ばれる場合も多いのです。

作る上でのコツは、ご飯を中まで強く握り過ぎないことが大切で、外側が崩れない程度の固さにします。ご飯をふんわりつぶさないことが美味しさの秘訣なのです。おむすびやおにぎりは形や大きさ、そして具の種類などバリエーションが豊富になり、家庭でも簡単に作れる作りやすさから、たくさんの日本人に愛されている食べ物なのです。