津波や台風の災害時に知っておくべき「標高」と「海抜」の違いについて

道や山を歩いていると「ここは海抜3mです」と看板を見かけることがあります。高さを示す言い方として「標高」「海抜」という言葉があります。それぞれ知っておきたいことですが、どこを基準としたどのような違いや意味があるのでしょうか。

日本の標高は東京湾を基準としている

日本全国の標高数値は、東京都千代田区永田町一丁目にある「日本水準原点」を大元の原点として国土地理院が測量したものです。

日本水準原点は上記住所の地表面に設置されており、東京湾平均海面上24.3900mの高さに設置されています。

日本の海抜は近くの港湾を基準としている

海抜は、地域に近い海面の平均海面を基準として算出しています。各地域と東京の平均海面とは数値に隔たりがあるため、海面からの高さという一般的な概念に当てはめた為です。

海抜ゼロメートル地帯」と言われる満潮時に平均海水面より低い土地があります。これらの場所は、台風や津波の災害時に影響が出ることがあり、堤防や水門が設置されるケースが多い場所です。東京都23区の湾岸部なんかはほとんどがコレにあたり、問題視されています。

標高と海抜どちらを用いるか

場所によっては標高0メートルがその地域の平均海水面とならない場合も当然発生します。近年に発生した地震による大津波や、予想される将来の災害に備えて、沿岸部では特に海抜の数値を告示するプレートなどが見かけられるようになりました。

潮の満ち欠けや地形によっては、予測される海抜数値以上の津波が発生する地域もあるので、避難に際してはその部分も考慮する必要があります。

潮汐の具体的な数値については「気象庁」「海上保安庁」から予測情報として知ることが可能です。

新しく住むなら標高・海抜が高いところが良いか?

津波が来た場合は高い高台へ逃げるのが良いといわれています。東日本大震災でもそうでしたが、台風や大雨の場合は土砂崩れが発生するため、一概に正解とは言えません。

ある程度高いに越したことは無いが、避難経路は確認しておくに越したことがないといえるのではないでしょうか。