住所の書き方で、番と番地の違いはどこだろう?

会員になるときに住所を書く、ネットショッピングで住所を書く、役所の書類に住所を書く、そんな場合に番と番地の違いについて戸惑う場合があります。○○県○○市○○町などは形式が決まっているので良いのですが、そこから下はどうすれば良いのでしょうか。地域によっては、角横曲がりとか、字などかなり特徴的な地域が多いですが、番と番地の意味合いは全て共通です。どう違うのでしょうか。

地番と住居表示は意味が違う

住所を書く際に以下のように表示されていた場合、どれが正しいと思いますか?

1番:○○町1-10-5
2番:○○町1丁目10番5号
3番:○○町1番地

実はこの住所、どれも正しいが正解です。引越しをしてマンションやアパートを借りた方なら分かりますが、登記簿謄本や本当にその住所かというのを出してくれる場合があります。不動産業界では3番の地番というものを使用しています。これは税金や土地の売買など、公的に使用する場合に使います。しかし3番では住所の判断に困ることがあります、これは後述します。

1番と2番のシンプルな表記は、主に配達業者に荷物を受け渡すための表記と言えます。郵便物・郵送物の宛名として使われているのです。

昔はもっと住所が分かりにくかった

たとえば、23番という地番が付けられた大きな土地があったとしましょう。これを2つの土地に分筆すると、23番1と23番2という地番になります。さらに23番2を分筆すると、23番2と23番3になります。

この後でさらに23番1を分筆すれば、23番1と23番4になるなど、分筆の時間的な順番によって枝番号が増えていくことになります。

実際の分筆ではもっと複雑なものになりますから、土地が地番の数字順に並んでいるということはほとんどありません。

出典:地番と住居表示の基礎知識

昔は3番の○○町1番地という記載がありました。しかし、土地が合体したり分離したりすると住所が順番に並んでいないばかりか、ぐちゃぐちゃな並びになってしまうので混乱するという事態になり、現在の丁・番・号で表されることになりました。

「地番」とは、元々は場所を特定する為のものではなく、「土地の所有者別の番号」を意味したものでした。そのため、同じ土地(地番)の上に複数の建物が存在する場合があったり、番号が整然と並んでいないことがあったりして地番だけでは住居等の正確な位置の特定が困難なこともありえます

出典:PASCO

同じ1番地の中に、「山田さん家」「田中さん家」「木村さん家」が経っていると住所だけではどこの家を指しているか判断が付きません。地番はおおざっぱなくくりしか表現できない住所だったのです。

地番で統一してしまうと権利が発生したり、消滅したりすることが今まで多々あるため住所として使うにはかなり都合が悪いのです。ですので3番は無くなり、2番と1番が出来ました。

現在はサービス提供者の指定が無ければ、郵便などを受ける際に使う住居表示の簡易的表現「○○町1-10-5」、かしこまった表現「○○町1丁目10番5号」の好きなほうを書いても問題はないでしょう。