事務や営業は「職種」「業種」どちら?その違いと言い方が微妙な仕事も増えている

求人票を見ていたり転職を考えて転職サイトを見ていると、職種と業種という項目があり検索して絞込ができるようになっています。自分に何が合っているかの診断ができたり、ITや特殊な仕事では職種は言い方も様々ですが、その違いについては把握しておきましょう。

職業は何ですか?職業とはおおざっぱな括りのこと

営業・事務や小売業・サービス業といった話をする前に「職業」について把握しておくことが大事です。これは「生計を立てるために従事しているお仕事」のことです。

細かい中身については職種や業種で説明できますが、職業は勤めているなら「会社員」が正しい言い方です。他の種類もいくつかあり、自分個人で会社やお店を経営していたり、個人事業主として働いている場合は「自営業」、夫が働いていて自宅で家事や育児をこなしているなら「主婦・専業主婦」、小学校・中学校・高等学校・大学・短大・専門学校に通っている場合は「学生」、特に仕事をしていない場合や定年を迎えた方は「無職」となります。

【職業一覧】
・会社員/自営業/学生/無職

仕事をする前に予備知識や未経験からでも修行できるものとして「職業訓練校」があります。ハローワークの管轄でその名の通り仕事に就く前に訓練できるところです。

職種は自分がどんな仕事をしているか

職種とは「あなたが今行っている仕事の内容」です。つまり自分の業務内容を指しています。先程の「事務」や「営業」は職種に分類されます。

【職種一覧】
・営業
・企画
・事務
・販売
・エンジニア
・クリエイティブ
・医療/介護/福祉
・建築土木
・教育保育

注意したいのが近年は仕事も多様化しており、企画・販売と一言で言っても曖昧すぎて伝わりにくいことも多くあります。そこでより細分化された職種が存在します。

職種の中身を把握する

営業という言葉1つとっても、「企画営業」「個人営業」「法人営業」「テレアポ」「人材紹介」など多岐に渡ります。複合的な「営業事務」「企画営業」なども存在しますし、「総務」や「人事」や「広報」は事務に該当します。

販売と言ってもは「食物」や「物質」を売るだけでなく、「美容」や「エステ」もありますし「ホテル」や「冠婚葬祭」もサービスを売っているので販売職種になります。

クリエイティブも印刷の「DTPデザイナー」か「ホームページデザイナー」か、音楽や芸能に放送、「空間デザイナー」なんていう言葉もあります。

営業なら営業のどのパートに近いのか、クリエイティブなら自分のしてきたことはどれに該当するのか、より把握することで相手にもわかりやすい職種といえます。

業種は自分の会社がどのような業界にいるのか

業種とは「今働いている会社が属している業界」をいいます。銀行なら「金融業」、スーパーやコンビニなら「サービス業」と最後に「業」が付きます。

【業種一覧】
・農業/林業/漁業
・建設業
・製造業
・化学工業
・鉄鋼業
・電気ガス水道業
・情報通信業
・運輸業
・卸売業/小売業
・金融業/保険業
・不動産業
・宿泊業/飲食サービス業
・教育/医療福祉業
・サービス業
・国家公務員

モノ作り大国日本というだけあって、何かを作る生み出す業種が多いのがわかります。ちなみに研究所と名のつくところは「親会社の業種」と決まっています。

業種の中身を把握する

業種で農業と言っても「畜産農業」「園芸」「耕種」と様々なジャンルが存在します。情報通信業は昔では「放送」や「新聞社」が一般的でしたが、現在ではインターネット通信関係の「プロバイダー」や、ヤフーやグーグルの「ポータルサイト」や、「サーバー会社」に「電子書籍」や「ウイルス対策会社」と対象が増えています。

金融業・保険業も「銀行」だけでなく「クレジットカード会社」や「商品先物取引」に「保険会社」や「貸金業者」といくつも存在します。

しかし職種とは異なり細かい業種を言うことは少なく、「サービス業」「情報通信業」とだけ覚えておけば問題ありません。複数の事業を展開している会社の場合は、両方の業種を書くかメインで扱っている業種を相手方にアピールしましょう。

よく聞かれる商社・看護師・介護は何に当たる?

一口に「商社」といっても「問屋」「部品」「原材料」など多岐にわたる場合が多く、特定の分野が大きい規模で独立して動いている場合がほとんどです。しかし本来の役割としては「卸売業」で問題ないでしょう。各メーカーから集めたものを、各小売店に流すのが役割だからです。ですので商社で小売に交渉して売っている仕事をしているならば「卸売業」の「営業」となります。

看護師の場合は業種を聞かれれば「医療/福祉業」でほとんど問題ないでしょう、運輸業をメインで行っているところが病院を経営したとしても、会社自体は運輸と医療/福祉で分けていることが多いためです。看護師の職種は「医療」となります。介護福祉士の業種は「医療/福祉業」で問題ないでしょう。介護福祉士の職種は「介護」となります。