警察の「交番」「派出所」「駐在所」は警官の配置の仕方が違うのか?

上記の地図記号を見て分かるように、交番・派出所・駐在所は同じ地図記号で出来ています。制服警官の警棒を交差しているのと、交番と区別させる為に○(丸)で囲ったのが警察署です。事件や事故が起こったときには警察に頼る必要がありますが、近くの警察官がいる所にいってみると、「名称」が異なります。漫画やアニメで話題になった「こち亀」では派出所、家の近くには○○交番と書かれています。駐在所という名称もありますし、何がどう違うのでしょうか。

派出所とは警官の詰め所の事

1994年までは派出所(英語ではLocal police station)が最寄の警察官が詰めている場所という意味で正式に用いられてきました。しかしそれ以降は一般的ではないとして「ほぼ」使われなくなりました。派出所は、早口言葉で噛む言葉として有名ですが、一般的では無い(言いにくい)というのも原因の1つかもしれません。

しかしほんの一部では現在も派出所として使われることがあります。例えば登山の臨時の警備派出所としてです。

本格的な登山シーズンを前に神奈川県秦野市では、臨時の警備派出所の開所式が行われました。7日、開所したのは、秦野市戸川の「丹沢臨時警備派出所」です。この派出所は遭難者やけが人などの救助拠点になるほか、登山シーズンの7月から8月の休日には機動隊の山岳救助隊員らが常駐し救助やパトロールなどを行います。

出典:登山シーズン前に、秦野市で臨時警備派出所の開所式

このように特殊な一時的なものでは交番ではなく、派出所として現在でも名称が使われているのです。

派出所は漫画や鉄道でも使われていた

週間少年ジャンプで連載されていた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で派出所が使われていたのは、連載開始が1976年の為で、今から連載開始されたとすると後述する「交番」となっていたかもしれません。

警察以外でもJRや私鉄の車両を管理する基地や、路線バスや市バスを運行する営業所なども派出所と言われていたこともあります。

中国や台湾では今も交番ではなく「派出所」が警察官の詰め所の意味で使われています。

交番とは警官の詰め所の事だが、昔は使われなかった

交番(英語ではpolice box又はkoban)とは警察官の詰め所の意味で合っていますが、昔は派出所と呼ばれているのが一般的でした。元々2つの読み方(派出所と交番)で使われていて、1994年までは派出所が一般的でした。しかし時代と共に使われている呼び方も変わり、現在ではほとんどが「交番」に変更されています。

このことから派出所と交番は同じ意味として使われています。通常交番には2~3人の警察官が24時間体制の交代制で常駐しています。最も最近では誰もいない空き交番も増えて問題にはなっています。その為、テレビ電話を置いている交番もあります。

駐在所は小さい交番の事?

駐在所(英語でRepresentative Office)とは、1人の警官又は1人の警官とその家族が住居を兼ねて住んでいる交番の事です。そこで寝食をして地域を守るという役割で、山間部や田舎に多い傾向があります。警察官というよりは「おまわりさん」「駐在さん」という地元密着型となっています。

夫が不在時は奥さんが電話対応や来訪者の対応にあたることがあります。1人ということはいつが休みになるのか、それは夜は休みで土日の休日も普通にあります。しかし警官ですので有事の際(緊急事態)は出動しなければなりません。

また警察組織だけでなく、消防にも駐在所が存在します。本署から派遣していたり、少人数体制で配置されて入る事がほとんどです。